キャスト・スタッフ並びに解説



構成・演出
林 英樹

出演 
アレクサンダー・バンチッチ
マチア・フェルリン
マリアナ・カルデリ
サンドラ・バリッチ
サマンサ・ミロチッチ
ロミーナ・ヴィスタソヴィッチ
ヴァーニャ・ゼンゼロヴィッチ
アレクサンダー・クリヴォクカ
吉永睦子
林 英樹


ディアナ・ヴィドシェイン(デズデモーナ)
ボルコ・ぺリッチ(イヤーゴ)
アレクサンダー・バンチッチ(オセロー)
ヤドランカ・ドキッチ

美術(舞台絵画)
吉永睦子

作曲 
千野秀一

照明 
ミオドラグ・フレーゴ
音響
ジェリコ・コリッチ

演出助手・制作
アレクサンダー・バンチッチ

制作助手 
オルネイラ・フェルチェッチ

写真撮影 
宮内勝

ドキュメンタリー制作
大坂英俊

フェスティバル・ディレクター
ダルコ・ルキッチ

国立劇場事務局
ドロレス・ヴォニッチ

国立劇場広報担当
ナトカ・ジヴコヴィッチ

国立劇場代表
ダボルカ・ロブレチッチ

制作 イストリア国立劇場、TERRA ARTS FACTORY(東京)
助成 国際交流基金




『デズデモーナ』作品解説

原作『オセロー』の中で特に、異人種間の結婚が生み出した悲劇という部分に焦点を集め、
新たな劇として創作。象徴的な表現スタイルを取り、言葉(9割はクロアチア語、一部日本語)
のみでなく、舞台上の絵画、オリジナルの音楽、俳優の動作による表現、斬新な照明デザイ
ン、コスチュームなど、すべての舞台要素を駆使して象徴的な表現の全体を構成する。


原作の改作というよりは、一貫して原作に対し距離を取り、作品自体を批評する作品、という
構成になっている。そのため『デズデモーナ』は対照的な前半部と後半部による二部構成の作
品となり、対比的に場面が併置される。

舞台上には10人の〈もの〉と名付けられた演技者が登場する(クロアチア俳優8名、日本2
名)。「何者か」になる前の「無名」の者、として俳優は舞台に現れ、次第に劇の登場人物の
様々な側面、断片を演じ出す。この〈もの〉たちは、「ものにとりつかれる」という言葉にも似て、
次第に悲劇を熱狂的に演じ出す。

 
だが、第2部に至って、俳優は悲劇の様相から一変し、シニカルに劇中人物を演じ出す。そ
して唐突に劇は中断し、客席に下りた俳優たちの手にした小型テープレコーダーからは、差別
的で排外的な言葉が次々に繰り出される。それは劇中人物とオーバーラップしながら、現在の
人々の言葉として語られる。

やがて、舞台上に戻った〈もの〉たちは演技を中止し、メイクを落とし、「誰がデズデモーナを
殺したのか」という言葉を残し、闇に消えて行く。


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[リンク] シアターファクトリー企画 林英樹の演劇ワークショップ