アレクサンダー・バンチッチ
(イストリア国立劇場所属俳優、演技教師 『デズデモーナ』プロジェクト演出助手、出演)
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1998年、私は第三回MKFM(国際青年演劇祭)フェスティバルに参加した。その
企画の一つに『伝統演劇(日本)の方法を応用した現代劇のための俳優訓練メ
ソッド』と言われるワークショップが林英樹氏の指導で行われた。私は子供のこ
ろから日本文化に関心を寄せていたので、すぐに参加することを決めた。このワ
ークショップが私にとって最初の日本の演劇との接触になった。このワークショッ
プで学んだことは、私の俳優、演技教師としての仕事に直接大きな影響を与える
ことになった。このことは私のプロの俳優としての生活に影響を与えただけでな
く、人生にも多大な影響を与えるものになった。もっとも有効であると思われるの
はエネルギーの「蓄積(ため)、集中」とその適切な使い方にある。私の声の使い
方も林のワークショップに参加した後、明らかに変化した。
昨年のワークショッが終わった後、一年間、私はたえず『デズデモーナ』の上演を
切望した。私は昨年から一年間、林氏と連絡を取り合い、プーラ市での『デズデ
モーナ』上演をオルガナイズするようになっていた。だがこの時、私はこの作品
の上演にそれほど多くの困難が待ち構えているとは想像もしなかった。たとえ、
二年間イストリア国立劇場で働き、この劇場が問題を多く抱え、組織的矛盾を持
ったものであるということを知っていたにせよ、私は今回経験した事態を予測す
ることさえ出来なかったのである。
『デズデモーナ』プロジェクトがイストリア国立劇場とTAF(テラ・アーツ・ファクトリ
ー)の共同作品であるにもかかわらず、劇場側は一切機能しなかった。最悪のこ
とは、公演が終わった後、劇場側がなぜ、劇場の協力を求めなかったかと私に
尋ねたことであった(われわれは幾度となく上演に必要な最低限のことを求め、
それさえ反故にされていたのである。上演が終わるまで本当に上演できるのかさ
え誰にも断言できない状況で臨んだ)。私は今回のことで自分たちの劇場に心底
幻滅していた。そして『デズデモーナ』が終わったあと、この劇場を離れる覚悟を
決めていた。もし、林氏が何かを私たちに残していかなかったとしたら(彼はいつ
も「キープ・ペイシャンス(こらえろ)!」と言い続けた)、私はとっくに劇場をやめて
いたと思う。
いまでは、私はとても幸福感と満足感を持っている。なぜなら、われわれはわれ
われだけの力で、最良の舞台を上演することが出来たのだ。『デズデモーナ』は
多くのことを私に教えてくれたと思う。いま、私はイストリア国立劇場に頼らずにど
のように公演を組織し作り上げてゆくか、を知るようになった。私はこの経験を将
来の自分の仕事に活かしてゆくつもりである。
『デズデモーナ』の作品作りに参加して、私は将来自分がどのような演劇を求め
ているのか、を自覚するようになった。『デズデモーナ』はその種の演劇の完璧な
サンプルである。つまり、言葉だけでなく、身体表現、照明、音楽、そしてエネル
ギーを包括した演劇。私がもっとも『デズデモーナ』で惹かれるのは、「孕んだ」
(直接的ではなく、意味を内包し象徴的に表現する)手法であることだ。それは観
客が、見ることに'積極的、行動的'にならなければならない演劇である。観客は、
大きく完璧な体験を中に含んだ断片に接続しなければならず、自ら思考しなけれ
ばならない。観客は客席にただ座っているだけでなく、俳優が提出するものを全
力で吸引しなけらばならない。
『デズデモーナ』を作るため、そのオルガナイズの仕事をしたことは、私にとって
言語に換え難い経験であり、冒険であり、そのチャンスを私たちに与え、貴重な
ことを教えてくれた林氏に絶大な感謝の意を表したい。彼がクロアチアに戻ってく
ること、私たちと一緒にまた仕事をしてくれ、イストリア国立劇場の組織のあり
方、劇場のあり方を変えるために協力してくれることを切望する。
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サンドラ・ヴァリッチ
(俳優、イストリア国立劇場ドアラマスタジオ所属 『デズデモーナ』プロジェクト出演)
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私は、昨年の第三回MKFMフェスティバルで林英樹氏のワークショップに参加し
た。
林氏のワークショップで私たちは日本の伝統演技に着想を得た氏の演技メソッド
について学んだ。歩行の仕方や動作、どのようにしてエネルギーの集中を得る
かを知った。このワークショップの経験は、その後私が舞台に立つ際、つねに役
立つものだった。
もっとも大きな発見はエネルギーは身体の中心(丹田)から放出されるものだと
いうことをからだで知ることができたことだ。このことは林氏のすべてのエクササ
イズで認識でき、今では、どうしてこのことを抜きに舞台に立って演技をすること
ができるだろう、とさえ思うようになっている。以前、身体にエネルギーを有するこ
とは自覚していたが、それが正確に一点を押さえるという発想は思いもつかなか
った。いま、自分が舞台の仕事をして集中を保たなければならないとき、たとえ
ばバランスをキープする際、私はこの身体の'ゴールデン・ライト'を想像し、それ
が実際に役立っている。
私はまた林氏のメソッドにある、即興身体訓練、サークルを描いて舞台に俳優た
ちが立ち、次々に中心に参入し、姿形を形成してゆく訓練(ファリファリ・サーク
ル)が好きだ。この訓練はさまざまなバリエーションがあり、沈黙の場合もあり、
言語を使用する場合もある。そしてそれらはすべて興味深く、示唆に富んでいる
し、舞台の仕事に役立つものだ。この訓練で俳優はより、彼のパートナーを認識
し、把握できるようになる。もし、この訓練に参加する俳優が集中していれば、彼
のエネルギーを感じ取ることができ、小さな'奇跡'を生み出す。(訓練の際、彼ら
の潜在的な能力が掘り起こされ、発揮された結果、きわめて'美しい''奇跡的'な瞬
間をしばしば、訓練の最中に参加者は目撃するのであった)何人もの友人たち
が『デズデモーナ』プロジェクトに参加してから、私の舞台での動作がよくなったと
語ってくれた。
林氏は日本の文化と演劇を私たちに紹介してくれた(指圧さえ教えてくれた)。私
は林氏と仕事ができるメンバーの中に入ったことをとてもうれしく思っている。彼
と再び仕事が出来るのを待ちわびるものである。
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マリアナ・カルデリ
(俳優、イストリア国立劇場ドラマスタジオ所属 『デズデモーナ』プロジェクト出演)
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私は、昨年の第三回MKFMフェスティバルで林英樹氏のワークショップに参加し
た。
林氏のワークショップで私たちは日本の伝統演技に着想を得た氏の演技メソッド
について学んだ。歩行の仕方や動作、どのようにしてエネルギーの集中を得る
かを知った。このワークショップの経験は、その後私が舞台に立つ際、つねに役
立つものだった。
もっとも大きな発見はエネルギーは身体の中心(丹田)から放出されるものだと
いうことをからだで知ることができたことだ。このことは林氏のすべてのエクササ
イズで認識でき、今では、どうしてこのことを抜きに舞台に立って演技をすること
ができるだろう、とさえ思うようになっている。以前、身体にエネルギーを有するこ
とは自覚していたが、それが正確に一点を押さえるという発想は思いもつかなか
った。いま、自分が舞台の仕事をして集中を保たなければならないとき、たとえ
ばバランスをキープする際、私はこの身体の'ゴールデン・ライト'を想像し、それ
が実際に役立っている。
私はまた林氏のメソッドにある、即興身体訓練、サークルを描いて舞台に俳優た
ちが立ち、次々に中心に参入し、姿形を形成してゆく訓練(ファリファリ・サーク
ル)が好きだ。この訓練はさまざまなバリエーションがあり、沈黙の場合もあり、
言語を使用する場合もある。そしてそれらはすべて興味深く、示唆に富んでいる
し、舞台の仕事に役立つものだ。この訓練で俳優はより、彼のパートナーを認識
し、把握できるようになる。もし、この訓練に参加する俳優が集中していれば、彼
のエネルギーを感じ取ることができ、小さな'奇跡'を生み出す。(訓練の際、彼ら
の潜在的な能力が掘り起こされ、発揮された結果、きわめて'美しい''奇跡的'な瞬
間をしばしば、訓練の最中に参加者は目撃するのであった)何人もの友人たち
が『デズデモーナ』プロジェクトに参加してから、私の舞台での動作がよくなったと
語ってくれた。
林氏は日本の文化と演劇を私たちに紹介してくれた(指圧さえ教えてくれた)。私
は林氏と仕事ができるメンバーの中に入ったことをとてもうれしく思っている。彼
と再び仕事が出来るのを待ちわびるものである。
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アレクサンダー・クリヴォッカ
(俳優、イストリア国立劇場ドラマスタジオ所属、
『デズデモーナ』プロジェクト出演)
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私は、昨年の第三回MKFMフェスティバルで林英樹氏のワークショップに参加し
た。
林氏のワークショップで私たちは日本の伝統演技に着想を得た氏の演技メソッド
について学んだ。歩行の仕方や動作、どのようにしてエネルギーの集中を得る
かを知った。このワークショップの経験は、その後私が舞台に立つ際、つねに役
立つものだった。
もっとも大きな発見はエネルギーは身体の中心(丹田)から放出されるものだと
いうことをからだで知ることができたことだ。このことは林氏のすべてのエクササ
イズで認識でき、今では、どうしてこのことを抜きに舞台に立って演技をすること
ができるだろう、とさえ思うようになっている。以前、身体にエネルギーを有するこ
とは自覚していたが、それが正確に一点を押さえるという発想は思いもつかなか
った。いま、自分が舞台の仕事をして集中を保たなければならないとき、たとえ
ばバランスをキープする際、私はこの身体の'ゴールデン・ライト'を想像し、それ
が実際に役立っている。
私はまた林氏のメソッドにある、即興身体訓練、サークルを描いて舞台に俳優た
ちが立ち、次々に中心に参入し、姿形を形成してゆく訓練(ファリファリ・サーク
ル)が好きだ。この訓練はさまざまなバリエーションがあり、沈黙の場合もあり、
言語を使用する場合もある。そしてそれらはすべて興味深く、示唆に富んでいる
し、舞台の仕事に役立つものだ。この訓練で俳優はより、彼のパートナーを認識
し、把握できるようになる。もし、この訓練に参加する俳優が集中していれば、彼
のエネルギーを感じ取ることができ、小さな'奇跡'を生み出す。(訓練の際、彼ら
の潜在的な能力が掘り起こされ、発揮された結果、きわめて'美しい''奇跡的'な瞬
間をしばしば、訓練の最中に参加者は目撃するのであった)何人もの友人たち
が『デズデモーナ』プロジェクトに参加してから、私の舞台での動作がよくなったと
語ってくれた。
林氏は日本の文化と演劇を私たちに紹介してくれた(指圧さえ教えてくれた)。私
は林氏と仕事ができるメンバーの中に入ったことをとてもうれしく思っている。彼
と再び仕事が出来るのを待ちわびるものである。
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