紛争や戦争によって避難せざるを得なくなった人々は膨大な数にのぼります。混迷が拡大する世界にあって、私たち
に何が出来るか途方に暮れるばかりです。しかし同じ舞台芸術活動を行うものとして、作家やアーティストへの具体的 な活動支援は出来るのではないか、そう考えて今回の上演に合わせてクラウンドファンディングを実施いたします。
「土着の根深い因習と近代化してゆく社会、厳しい自然に翻弄されながらも強い意志で同調圧力を破り、人生を切り開
こうとする母娘二代を描いた作品」(中山豊子) 娘の名はハイル(馬)、母の名はターイハ(さすらい)。ベドウィン族とク ルドの間に生まれたハイルが因習と現代的生活のはざまで揺れながら成長し、女性として自立する姿を、音楽や詩を ふんだんに用いて描く語り物。多様性の中に「シリア」のアイデンティティを探る作家の真骨頂。クルド語交じりのアラビ ア語で書かれ、2008年出版。2015年にはパレスチナのイエス・シアターによりアラブ演劇祭(※)で初演され、カースィミ ー賞を受賞した。
1975年生まれ。ダマスカス高等演劇芸術学院でパフォーミング・アーツ、ダマスカス大学でジャーナリズムを学ぶ。詩
人、作家、テレビ・映画の脚本家、劇作家。2011年3月、ダマスカスで行われたアーティスト、作家、ジャーナリストらによ るデモに参加して捕らえられ、アサド政権支持を表明するように要請された。これを逃れるため国を出て、ロッテルダム 市を拠点に創作活動を続けている。
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