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          『デズデモーナ』は、権力者の不安と孤独をめぐる物語として、シンガポールで国際的な活躍を
           続ける演出家オン・ケンセンと共同創作され、シンガポール、ハンブルグ、アデレードなどで上 演された作品。今回の上演は岸田没後初演となるものです。 
          今回は、戦争で死んだ男が昔の恋人のもとに魂魄となって戻り珍妙な会話をする『歳月の恵
           み』、娘たちの叛乱に会う哀れな王を描く諷刺劇『ダナイード』の二作を脇の物語として据え、 岸田後期三作品を統合する形で作品の構造をより鮮明にする演出をいたします。 
          テラ・アーツ・ファクトリーはこれまで集団創作を重ね、俳優が自立的に作品創造に関与出来る
           方法を探り、若い俳優を育てて参りました。今回は50代60代のベテランがこれまで育ててきた 若手俳優に加わり、総力で岸田作品と向き合います。 
          人類学の「未開社会」の調査によれば、女性が外に出て食料を確保し(漁労や採集)、男性が子守と家事をす
           る社会が結構な割合で存在している。決して現在の「文明社会」の男女の役割分担が絶対なわけではない。 
          『デズデモーナ』は1999年にシンガポールのオン・ケンセンと岸田が共同創作し、シンガポール、ハンブルグな
           どで上演された作品である。同時期、テラ・アーツ・ファクトリーも国際共同制作で別の『デズデモーナ』を創作 し、旧ユーゴスラビアなどで上演していた。 
          大正から昭和を描き、戦前から戦後日本を「母性」という「竈の中」で煮沸し、その胆汁を抽出したような岸田が
           ハイナー・ミュラーと遭遇し、日本からアジア、そして世界へと視界を拡げる屈曲点と20世紀から21世紀への歴 史の転換期上に『デズデモーナ』は浮かび上がる。 
          15世紀から始まったヨーロッパによる世界の分割・支配という近代の秩序が20世紀の二度の世界戦争で崩れ
           始め、経済競争と噴出する民族紛争が世界を覆う21世紀、もう一度、<世界の根源>から思考の組み立てを 計る岐路に私たちは立たされている。岸田も同種の危機意識を共有していたように感じる。 
          『デズデモーナ』はこの世界の岐路に立ち、指標する。それが何を語ろうとしているか、岸田のテキストを探り、
           そっとその声に耳を傾けてみたい。 
          ●企画制作:テラ・アーツ・ファクトリー 
           
           http://www.geocities.jp/terra2001jp/ 
           
           tel/fax 03−5389−6524
           
          terra@msb.biglobe.ne.jp
           
          〒160−0023 東京都新宿区西新宿8−2−36−307 
           
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          リオフェス2014(第八回岸田理生アバンギャルドフェスティバル)
           
          −過去最大7劇団参加!没後初上演4作品!岸田理生中毒患者続出!・・・コワイ−
           
          第一会場◎Performing Gallery&Cafe 絵空箱
           
          吉野翼企画「眠る男」
           
          構成・演出:吉野翼
           
          期日:6月11日(水)〜15日(日)
           
          前売:3000円
           
          予約問合せ:03−6265−0825
           
          柴崎正道プロジェクト「ダナイード」
           
          構成・演出:柴崎正道
           
          期日:6月22日(日)〜25日(水)
           
          前売:3000円
           
          予約問合せ:050−5883−0766
           
          第二会場◎こまばアゴラ劇場
           
          千賀ゆう子企画「桜の森の満開の下で」
           
          演出:笠井賢一
           
          期日:6月25日(水)〜27日(金)
           
          前売:3000円
           
          予約問合せ:090−8432−8033
           
          虚飾集団 廻天百眼「臘月記」
           
          構成・演出:石井飛鳥
           
          期日:6月29日(土)〜7月3日(木)
           
          前売:4000円
           
          予約問合せ:090−2157−8811
           
          ユニットR[私たちのイヴたち 蝕」
           
          上演台本・演出:諏訪部仁
           
          期日:7月5日(土)〜7日(月)
           
          前売:3000円
           
          予約問合せ:080−9484−7539
           
          第三会場◎プロトシアター
           
          渡部美保プロジェクト「羊の住処すみか〜唖女より〜」
           
          演出:大橋宏
           
          期日:7月2日(水)〜5日(土)
           
          前売:2800円
           
          予約問合せ:090−7847−2670
           
          尚、今年の水妖忌は、命日の一週間後7月5日の公演終了後に行います。
           
          また、7劇団すべてが一度ずつ観られる通し券を9000円にて発売します。
           
          第八回岸田理生アバンギャルドフェスティバル
           
          主催:理生さんを偲ぶ会
           
          助成:芸術文化振興基金
           
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