●集団創作では、通常の「演劇」のようにすでに作家によって書かれた台本を暗唱し、段取り稽古を
重ねる、という稽古スタイルを取らない。あらかじめ上演用の台本はない、そこからスタートする。稽 古場が、ある段階まで創作、創造の場そのものになる。上演台本は創作作業の結果として作り出さ れていく。それが集団創作である。
●テラ・アーツ・ファクトリーの「稽古場」は動作・身振りも含めた作品作りのために試作や実験を重
ね、素材としての言語テクストを持ち寄り、あるいは創作し、また原作がある場合は(『マテリアル/糸 地獄』、『アンチゴネー/血』、『ノラー光のかけらー』など)、原作テクストを一度解体し、作品に必要な テクストとして採用する部分を抽出し、再構成しながら多層的、多重的な<構成型演劇>の形式を 取る。
●テラ・アーツ・ファクトリーの創造プロセスは、「演劇=戯曲再現」という演劇習慣=「シアターマシ
ーン・システム」の中からその外に「出る」ことを志向し、「もう一つの演劇」の作り方を探求する場と もなる。
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